「わ、私が王子役をやるのか?!」
「だってー、大佐適任じゃないっすかー。」
ハボック少尉になにか怒っているご様子のマスタング大佐。
理由は、近々開催される、軍部祭にあった。

軍部祭で   9000HITロイアイ。

「そもそも、何故 白雪姫なのだ!幼稚っぽくないか!?」
「大総統閣下 たっての希望だそうですよ。」
毎年、あまり知られていないが軍部ではちょっとした文化祭のような物を開いている。
その中の出し物に上層部が勝手に決めた題目を司令部ごとに演じる演劇会があるのだ。
東方司令部に今年、割り当てられたのはかの有名な「白雪姫」。
「そもそも!上層部が決めるというのが納得いかんのだよ!」
「しょうがないですよ、大佐。
演じる役が上手いと給与査定に有利ってウワサもありますからねぇ。」
「金で釣るのか上層部は! 私が大総統になったら即刻 中止だ!」
「あ!・・・・・いや、言うのやめようかな・・・・・・。
「ん? どうしたフュリー曹長。」
「あっ、いや、・・・・白雪姫役・・・誰だか知ってますか?」
「そういえば・・・・・・・だれだ?」
「台本では・・・・・・ホークアイ中尉になってます。」
「なああぁぁぁーーーーー?!」
その場の全員の声がハモる。
「待て!私は絶対に王子役はやらないぞ!」
「えー?!なんでですかー!大佐しかいないっしょー!」
「軽々しく言うなハボック!白雪姫がどんな話か知っているのか?!」
知ってますよ。だから適任なんじゃないっすかーw」
ニッコリと笑うハボック少尉。
「配役を決めたのは誰だ!」
「大総統閣下ですよ。さっき言ったじゃないですか、大総統の希望だって。」
「・・・・・・・・完全に、私達 東方司令部は遊ばれているな・・・。」

バン! 勢いよく司令室のドアが開く。
「おい大佐!やくそくのしりょうは「それどころではない、鋼の!」
資料を取りに来たエドワードに絶叫する。
「なにがだよ!いいから資料くれ!一週間待ったんだぞ!」
「じつはエドワード君、かくかくしかじか・・・・・。」
「へ〜、面白そうじゃん!大佐やれば?」
「・・・・・・・・・キミは白雪姫を知っているかね?」
もちろん!だから適任なんだろ。な、アル。」
「そうですよ、大佐がやるのが一番だと思いますよw」
ハボックと同じ台詞を喋るエドワードに、同意見のアルフォンス。
コンコン  ガチャッ   ゆっくりと開いたドアの先に居たのは、
まさに噂の渦中の人物、リザ・ホークアイ中尉のお出ましであった。
「中尉!例の台本は見たのか!?」
「えぇ、見ましたけど。・・・・・それが何か?」
「何かって・・・・・・・・・・!」
「しょうがないじゃないですか。給与査定にも響くらしいですし。」
「中尉・・・・!」
「最近ハヤテ号の食欲が半端じゃないんです。食費が足りないんですよ。」
中尉の爆弾発言にその場は凍り付く。
『中尉、そんな人だったのか・・・・・・・!』
という、心の叫びが最も大きかったのはやはり。王子役:マスタング大佐であろう。

結局。軍部祭当日に、白雪姫を見事に演じきった東方司令部では、
中尉には司令部中の女性からの羨ましそうな視線が向けられ、
大佐には司令部中の男性から、予想する事が極簡単なヤジが飛ばされたのである。
ハボック少尉いわく、『本物のカップルのみたいだった』そうで、
大総統にも好評だったのだそうだ―

終わり

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ホントはですね、あのシーンも書く予定だったんですよ!でも、勇気がなかったんですよ!
やっぱり大佐は必殺のあのあまーい目線を向けてたのでしょうかねーw(変態
中尉の給料は、ちょっとUPした模様。無論大佐も。
9000 H IT、ありがとうございました!

9000 H IT達成:2006年5月17日

2006年5月27日 UP