「そんな、ウソ!」
空高く舞い上がっていく気球の中にいるのは、
元 若き軍将校、ロイ・マスタング伍長。
下から見上げるは、かつての彼の部下、リザ・ホークアイ中尉。
心配 ロイアイ。 映画その後ネタ ナレーター(管理人)視点(?
ロイ自ら志願した北方移動と階級の引き下げ。
それに反対する者は無く、青年将校ロイ・マスタング大佐はセントラルから去った。
反対する者はいなかった。しかし、残念がる者はいた。
リザ・ホークアイ中尉を筆頭とするロイの部下達。
「中尉、大佐の所へ行って来ますけど、行きませんか?」
「私は…遠慮するわ。」
「中尉……。」
「大佐、きっと待ってますよ……?」
「…………遠慮するわ。」
「でも「ブレダ。…行こうぜ。」
両少尉がセントラルへ戻ってまもなく。謎の鎧が現れる。
鷹の目と名高かった中尉の射撃は健在で、次々と敵を倒していく。
しかし、それを上回る勢いで、謎の鎧達は増えていく。
「フュリー!ファルマン!後ろだ!」
その声に、皆は振り向いた。後ろにも、声のした方向にも。
錬成陣の描かれた手袋をはめた手。それをおもむろに指でこする。
パキン、という音と共に、業火が鎧をなぎ倒す。
焔の錬金術師のお出ましにその場は一気に活気づいた。
そんななか、彼を見つめているのは、ホークアイ中尉。
「………お待ちしておりました。」
一通り撃墜し終え、廃屋を横目に、並んで歩いているロイとリザ。
「……帰られるのですか?」
「あぁ。私は伍長だ。私のような者が、ココにいても仕方がないだろう。」
「しかし、皆 大佐のことを待っています。今日だって、助けに来てくれたじゃないですか。
そもそも、なんでセントラルがこんな状況だとわかったんですか?」
「…………何故、だろうな。」
「それに、そんな短時間で来られる距離ではありません。
………大佐、もしかして セントラルへ戻られるおつもりだったのでは?」
「……キミにはかなわないな。
たしかに、セントラルへ来るつもりだった。……でも、それは戻るためじゃない。」
「……?」
ロイの足が止まり、目線はリザの方を向く。
「……何故、会いに来てくれなかったのかね?」
「え?……あ、あれは…………。」
「心配だったのだよ。何かあったんじゃないか、ってね。」
「…………申し訳ありませんでした。」
「気にするな。むしろ、こちらも謝るべきだろう。」
「え………。」
「『私のあんな姿を見たくなかった』のだろう?」
「そ、それは…………。」
「すまなかったな。…辛い思いをさせてしまったようだ。」
「そ、そんな!大佐は、何も悪くありません!」
「ふう。……変わらないな、キミは。」
「私は、大佐がご自分で選ばれた道を歩んでいるのを、むしろ誇らしく思っています!」
「………そんな事務的な返答も、二年前と変わらないな。」
「事務的って、私は心の底からっ………。」
それを聞くとロイは ふっ と笑った。
「……ありがとう。」
「え………?」
「ずっと、想い続けていてくれたのだろう?……ずっと、待ち続けてくれたのだろう?」
「…………………………大佐が待っていたのは……。」
「?」
「大佐が本当に待っていたのは……私ですか………?」
「?……意味が分からないな。」
「だから、本当に待っていらっしゃったのは……エドワード君ではないのですか……?」
「鋼の?まぁ、待ってはいたがな。……でも、鋼ののコトよりも、ずっと心配だったのだよ。」
「……………。」
「…………わかりきったコトじゃないか。」
そう言うと、ロイはリザの右手をとった。そして、淡くキスをする。
「一番、大切な人だ。」
「大佐………。」
終わり
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はいー、初・ロイアイ ネタ。ロ、ロイアイってこんなだっけ?
書いててかなり恥ずかしかったです/// 慣れない分野はつらいですねー。
そもそもロイアイってどうやって書けばいいのか……。
とりあえず「なんであんなにタイミング良く?」って疑問をSS化。
映画ネタになるとつい長くなるっすねー。
2006年4月8日 U P