29番 向こう側 ウィン→エド アニメ最終話〜映画での再会
「ウィンリィ?」
と、心配そうな声であたしに問う少年。
「え?あぁ。ごめん、アル。」
名前は、アルフォンス・エルリック。
ついこの間まで鎧の体だった彼が、
今、こうして。笑顔でいる。
それと同時に、アルの兄・エドワードは、
あたし達、いや、あたしの前から消えてしまった。
「………兄さんのこと?」
「違うよ。アルには関係ないこと。」
何かあるにつけ、エドの姿が浮いてくる。
一回だけ、エドから訊いたことがあった。
『真理の扉』。人体錬成の際に、絶対に通るらしい。
その向こう側に、エドは、行ってしまったんじゃないか?
だとしたら、もう。
二 度 と あ え な い ん じ ゃ な い か ― ?
あたしは人体錬成論なんて組み立てられるような才能持ってないし、
第一錬金術師じゃないし。
「やっぱり…………………。」
もう、会えないのかな・・・。
エドがいなくなって。改めて実感した。
あたしは、やっぱり。
エドが好きだったんだ―。
それから二年。
シェスカにつられてやってきた地下都市で、
あたしは、エドと再会した。
二年前と変わらない、
強い意志を秘めた、金色の瞳。
機械鎧じゃなくなって三つ編みが出来なくなったのか、
ポニーテールで結った後ろ髪。
彼奴(の右肩に、
あたしが用意しておいた機械鎧がピッタリとはまる。
そして、その少しの再会の後。
彼奴は、また。
門の向こう側へと、消えていった。
今度は、アルも一緒に。
「ウィンリィさん。」
「はい?」
と振り返ると、そこにはマスタングさんがいた。
「鋼のから、伝言を預かっていた。」
胸が ドキン と、鳴った。
「―機械鎧、ありがとなって、ウィンリィに伝えてくれ―と、言っていた。」
「………そう……ですか。……ありがとうございます。」
涙は、出なかった。
悲しかったのに。
でも、彼奴が無事だったって解(った、
安心感もあって。
さよならも、ろくに言えなかったけど。
なにより、
―泣くな、ウィンリィ。いつまでも傍にいるから―
そう、聞こえた気がしたから。
大丈夫。
あたしは元気だから―…‥・
それから、あたしの大切な人とは、
一緒に写った写真でしか、
会えなくなった。
彼奴はもう、こっちに来ないだろうから。
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初・エドウィン映画ネタ。結構頑張った。うん。
ってか、エドが言ったのってホントにああいう台詞だっけ?
記憶が混乱しててよく思い出せない(ォィオイ
まだDVD手に入れてません(汗
間違ってたらご一報を。
なにげに68番 探すとペア。
2006年1月26日 UP