日常
「しっかし、つまんねーもんだなぁ。」
そうぼやくはエドワード。
「何にもない所だもんね、ここは。」
と、兄に珍しく賛同するアルフォンス。
「いいじゃない。平和で。」
真っ向から反論するはウィンリィ。
「だってやることがないって暇でヒマで。」
「自分が腕 壊すからいけないんでしょ?」
「…はい、そうです。スミマセン。」
「でもさ、なんだかんだ言って心が安まるのはここなんだよね。」
「まーなー。あとはどこへ行っても『軍の狗』ってのがつきまとうんだぜー?
魂まで売った覚えなんてねーのによー。」
「じゃぁ、ここにいる間だけでもゆっくりしてればいいじゃない。」
「これだけやることがなけりゃぁ、嫌でもゆっくりするさ。」
「確かに。それはいえてる。」
こうやって笑いあっている時。
彼らは普通の少年のように人々の目には映る。
これが「日常」。本来、あるべき姿。
過酷な旅を強いられている兄弟にとって、
家のない故郷であり、心の安まる場所。
そんな二人を暖かく出迎えてくれる家族。
それは何より、兄弟にとって嬉しかった。
「…そうそう、この前机の引き出し整理してたら
エドからのラブレターが出てき「なにー?!」
「……ったー!耳元でうるさいわよっ!」
「で、どんなのだったウィンリィ?」
「あ、今から持ってこようか「やめろぉぉ!」
「なによ、いいじゃない。自分で書いたんだからねー。」
「おいコラー!っつかオレそんなの書いた記憶ねーぞー!」
「兄さんってウィンリィに関係すること結構忘れてるよね…。」
終わり
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捧げモノ第二弾。これまた福瀬奈菜様に
挿し絵のお礼として差し上げたモノです。
なんか前回と比べてもんのすごく短い。
これ以上話が広がりませんでした^^; うえぇぇぇん。
描いていただいた挿絵はこちら。
2006年5月19日 UP